UTエイム
(旧:UTパベック)
今野 友好
PROFILE
2004年入社。大阪府守口市の乾電池工場で、さまざまな製造工程を経験したのち、2019年から工場内におけるUTの請負の管理責任者となる。2021年、再び製造現場に戻り、3つの工程の製造課長に。10歳・6歳の息子と一緒に遊ぶのが、休日の楽しみ。
コツコツとモノに向き合える場所を求めて。
ファッションに興味があった私は、高校を卒業するとカバンのメーカーに就職しました。在庫管理から始め、次第に修理も任されるようになります。大切に使い込まれたカバンを一つ一つ蘇らせる仕事には、充実感がありました。ところが、4年目に突然、営業への異動を命じられたのです。休日返上でノルマに追われ、取引先との交渉に奔走する。そんな自分の姿はうまくイメージできませんでした。コツコツとモノに向き合う仕事を探す中でUTと出会い、いまの乾電池工場で働くことになったのです。
まず担当したのは、単三電池の外装ラベルを巻いて貼り付け、検査をする工程です。その後、セット販売商品などのフィルム巻きの工程を経て、電解液を入れた電池に封口板という蓋を取り付ける組立工程のリーダーになりました。
無人化が進んでいるイメージのある電池工場ですが、古い製造装置を使うラインもあり、人の手はまだまだ必要です。製造装置のマニュアルはあっても操作作業に手順書はなく、経験者が後輩たちに教えていく文化が続いています。磨いたスキルが、稼働率や不良率といった数字ではっきり結果に表れる。そこに、オペレーションの楽しさを感じていました。
以前にも増して仕事に充実感を感じていた頃、カバンメーカーのときと同じような辞令を受けました。モノづくりの現場から離れた、管理部門の責任者です。それから私は、乾電池工場でのUTの請負業務の収支面や人員面など全体を見ることになりました。
管理部門で得た、新たなモノづくりの視点。
顧客であるメーカーさんとは、乾電池1個の製造につきいくら、という請負契約ですが、生産できる数量を少しでも間違えると赤字になる場合もあります。また、配置する人員を一人でも読み間違えると、作業に大きな支障が生じます。退職・入職の予定も先読みしながら、人員計画を立てなければなりません。その他にも、備品の購入や諸経費の計算など、慣れない数字相手の仕事に、四苦八苦する毎日となりました。
そんな私の支えとなったのが、乾電池以外の製品も含め工場全体をまとめている所長の存在です。部下思いで、現場の一人一人への挨拶はもちろん欠かしません。私を食事に誘い、それとなく仕事の相談にも乗ってくれます。一緒に会議に参加する機会も多く、発想力にもプレゼン力にも圧倒されました。なにより私の印象に強く残ったのは、本社から来た上層部に対しての、毅然とした態度でした。
「それを見送るのは間違ってる。工場のメンバーみんなが困ってるんだ」
管理部門に異動して2年後の2021年3月、嬉しいニュースが飛び込んできました。製造の現場に戻ることになったのです。いまは組立・正極材料供給の2工程を束ねる製造課長として、約40名のUTのメンバーを引っ張っています。いわゆるカネ・ヒトという管理部門で学んだことを、モノづくりにどう生かしていくか。自分が目指すべき明確なリーダー像に近付くため、これまで以上に所長から学ぶことは多くなりそうです。