UTエイム株式会社
久保田 健
PROFILE
2010年入社。岡山県笠岡市の半導体メーカーで製造装置のオペレータ及び検査業務を8年務めたのち、社内公募に応募。2018年から豊田市の大手自動車メーカーにて、車体足回りの順立て及び組立を担う。
どこで働いても長続きしなかった20代。
いま思い返すと、僕はいつも逃げていたのだと思います。
専門学校を出たあと、飲食店、工場、コンサートスタッフなど、いくつもの職を転々としていました。UTエイムに入ったのも、前職の金属加工職に不満があった、待遇面の良さに惹かれたという軽い気持ちからです。30歳にもなるし、2年前に結婚したから頑張らなければ……というカッコイイものではありません(笑)
UTへの入社後は、半導体製造装置のオペレータや検査業務の担当となりました。決められた手順の作業を、毎日きちんと繰り返していく。ただそれだけで、自分としてはとくに頑張ったつもりはありません。ところが3年目のある日、上長からこう言われたのです。
「久保田、来月からサブリーダーをやってみないか」
職場の居心地はわるくないし、待遇も良くなりますから、お断りする理由はありません。深く考えないまま、自分なりに淡々と職務をこなしていきました。すると、2年後にリーダー職を任されることになったのです。このあたりから、僕の意識は変わりました。
「いままでは、UTが役割を与えてくれることで、自分の価値を引き上げてくれてきたんだな。それならこれからは、自分の努力でもって、もっと価値を上げていこう!」
世界的に有名な自動車メーカーの正社員登用を目指して。
入社から8年目、社内広報で知ったのが、トヨタ・チャレンジでした。自動車の生産現場の一員として、世界トップクラスのモノづくり技術や考え方に触れられる。これだけでも十分に魅力的ですが、そのまま大手自動車メーカーの正社員として迎えられる道も用意されている制度です。僕は直感しました。
「いましかない! このチャンスを掴みとってみよう!」
大手自動車メーカーの現場に入って最初に感じたのは、働きやすさです。現場スタッフたちにはどこか余裕があり、ポジティブな雰囲気が溢れているように感じました。思えば20代の頃は、上司や同僚のマイナス面に目を向け、腰の定まらない言い訳にしていました。でも、1人では仕事はできません。いまは仲間たちのプラス面に目を向けて、積極的に自分から話しかけるように心がけています。人間関係づくりの苦手意識を克服するためです。
作業には体力と集中力も求められ、けっしてラクではありません。それでも、与えられた仕事以上のことに、挑みたくなるような空気があるのです。実際に、僕が提案した順立てライン(組み立てる順番にしたがって部品をそろえる事)のレイアウト変更〈改善提案〉が採用され、1日あたり約30分の効率アップを実現しました。かゆいところに手の届く存在として価値を高め、目指すは正社員!
職制からの何気ない一言も、僕にとって大きな励みです。
「久保田、よくやってくれてるなぁ。今日も助かった。ありがとう!」