UTエイム株式会社
川村 悠
PROFILE
2015年、新卒入社。UTエイムの四日市東CFにおいて、女性唯一のマシンキーパー。男性が大半を占める現場にはすっかり溶け込んだが、コロナ禍の影響で趣味のスケボーや大阪に暮らす両親から離れてしまっていることが残念だという。
両親にも背中を押された、製造現場という選択。
子供の頃からモノづくりや細かな作業が好きでした。工業高校に進んでからも、旋盤や溶接の実習が楽しくてたまりません。社会に出る前に視野を広げたいと思い、情報処理の専門学校に進学しました。そこで学んでいるうちに、はっきり分かったことがあります。自分にはやはり、一日中じっと座ってパソコンを操作する仕事よりも、モノづくりの現場に立って機械を相手にするほうが楽しく続けられるということです。
UTエイムを選んだのは、説明会の第一印象でビビッと来たからでした(笑)。製造現場では重労働も伴いますから、女性には厳しいというイメージをもたれがちですが、女性の先輩たちも活躍していることに心強さも感じました。
「自分の好きなことを仕事にすればいい。頑張りなさい」
両親にも応援してもらい入社しましたが、いきなり壁にぶつかってしまいました。女性比率の少なさには工業高校時代に慣れていたつもりでしたが、配属先の先輩たちは20代から60代までと年齢層が幅広く、接し方がまったく分かりません。先輩たちに嫌われないように気をつけたい。皆さん忙しそうだから、分からないことがあるたびに質問していてはきっと迷惑だろう。自分でなんとか解決しよう、と考えていました。
自分の作業にOKが出なければ、その製品は流れない。
任された仕事は、半導体製造装置のマシンキーパーです。装置を月に一度停止させ、問題がないかどうかを確認します。工場には100台以上の装置がありますから、1日に5〜6台を3〜4人のチームで担当する体制です。基本的には手順書に沿って作業を行うのですが、古い装置の場合はマニュアル類がないこともあります。もちろん、毎朝チームリーダーが作業手順を指示してくれますが、その日は判断に迷う場面がありました。手が止まったまま、ただモジモジする私に気付いた先輩が言いました。
「どうした?みんなに遠慮せずになんでも聞けよ。これで大丈夫だろうなんて思い込みで作業したら、事故につながりかねないから」
この一言を機に気持ちが切り替わったことをよく覚えています。先輩たちと休憩時間に気兼ねなく話をしたり、定時終わりの日には数名で一緒に食事に行ったりするようになりました。現場でもどんどん質問できるようになって、スキルも自然と身に付いていきます。自分が直した装置にOKが出てはじめて、製品を流すことができる。そんな達成感も次第に強くなっていきました。
入社から5年、一つ一つの作業の意味を考え、仕事への責任感をしっかり持てるようになりました。もっともっと多くのメーカーさんの製造装置に触れて、視野を広げていきたい。そして、自分がそう感じたように、なんでも教えられるカッコイイ先輩になりたいと思っています。