Message 06
NobuyukiTsukui
UTスリーエム株式会社
代表取締役社長
2012年中途入社
大学卒業後、音響メーカーに6年在籍し、工場のラインの管理やメンテナンスなどに携わる。もっと広い世界を覗いてみたいと考え、大手派遣会社に転職。自分を成長させたい、会社を成長させたい。その一心で9年間走り続け、派遣業界内でも群を抜くほど業績を伸ばしてきた。しかし、同族会社だったこともあり、それ以上の成長は望めないと判断。ヘッドハンティング会社の紹介により、UTに入社した。UTアイコムの社長として、グループの採用強化に取り組んだ後、現職に就く。
01
大手派遣会社に見切りをつけ、さてどうしようと考えていたときに、ヘッドハンティングの声をかけられた。これまでのキャリアや志向性を熟知している担当者は、会うなりこう言った。
「あなたはUTに入るべきです。その理由は、若山陽一という男に会えばわかります」
担当者は早速、若山社長との面談をセッティングした。忘れもしない2012年1月9日。指定された場所はリッツカールトン大阪のバーだった。東京から急遽足を運んでくれたという行動と、格式ある迎賓の場を選んだということだけでも、熱意と人への愛情を感じずにはいられない。この人はそのへんの経営者とは違う。なにかをやりそうな人だ。
その思いは、すぐに確信へと変わった。「業界トップになって派遣ビジネスを健全化するんだ」「人に挑戦の機会を与えて成長してもらうんだ」。社長の語る言葉の一つ一つ全てがとても明快で、なにより使命感と夢に溢れている。いまの会社ではやりたくても閉ざされていた道がパーッと開き、自分の中でいつしか眠っていた志がパチッと目覚めた。この会社だったら、この人の元だったらできる。
当時、UTグループも、成長の壁にぶちあたっていた頃だった。脱・半導体という方向性を掲げ、改革に取りかかろうとしていた。「このままではダメだ」「古い考えは捨てないとならない」「新しい血を入れて会社を変えるぞ」。チャレンジができるというワクワク感で、心が高揚してならない。この船に乗らない理由はなにもなかった。
02
UTへの入社に際して考えたのは、前職で抱えていた1200人の派遣社員や部下たちをどうするか、ということだった。自分と一緒に連れて行くとなると、前職の会社から猛反対されるのは言うまでもない。それでも、新しいUTという環境でなら、これまでしてあげられなかったことが実行できる。彼ら彼女らにとっても、UTに来たほうが成長でき、幸せに働けるに違いない。全員に事情を説明し、意志を確かめたところ、約1000人がやって来ることになった。経営陣も最終的には理解してくれ、和解という形で収まった。
この1000人の受け入れ先として、新たにUTの子会社を設立し、社長として指揮をとる形を若山社長も後押ししてくれた。まず手を付けたのは、グループ全体の採用の強化である。それまでは、各現場の管理者が募集広告を出し、各地ごとに面接を行うのが通例だった。地域によって採用数にバラツキがあり、マネジメントに追われる管理者にとっては負荷も大きい。それを改善すべく、本社主導による一括採用の仕組みづくりに取りかかった。
成果はなかなか現れなかった。採用専任チームを編成しても月間100名程度しか採用できない。チームをよく見てみると、動きがうまくかみ合わず、個々の実力が十分に発揮できていないことがわかった。そこで、チームに発破をかけた。
「このままでは、チームは解散させるぞ!」
それを機にメンバーの意識がガラリと変わり、行動も変化し始めた。求人情報を扱う代理店と共にWEBマーケティングの勉強を深め、いろんな会社の採用事例の分析を進めた。母集団をどう作るか、電話ではなにを伝えるか、面接をどうするか……と、応募から入社までのレスポンスを上げられる仕組みを綿密に構築していった。こうして、本社チームがすべての採用を担当する体制ができあがった。
2017年の夏にはついに、当初は不可能と言われた目標、月間1000人の採用を実現した。不可能なことなんてない。どこまで本気で考え抜き、実行へ移すか。これが「できない」を追いやり、「できる」を引き寄せる。UTに来てから、そのことを強く実感している。
03
1000人という数字には、つくづく縁がある。
「3工場で1000人足りなくなるのですが、UTさん何人派遣できますか?」
ある世界的企業のスマートフォン製造を請け負う顧客からの打診だった。営業部門とも検討を重ねた採用メンバーたちが、こう進言してきた。
「他社にも声をかけているらしいので、うちは500人くらいでいこうと思います」
それを聞いた瞬間、思わず喝を入れていた。
「なに言ってるんだ! 1000人に決まってるじゃないか!」
唖然としているメンバーたちに、こう続けた。
「なんでやれないって決めつけるんだよ。1000できるというイメージを持って、できるためにどうするのかを考えてごらん。このチームのみんななら、必ずできるから!」
その顧客は、今後の増産をユーザー企業とコミットしている。もし人員確保できなかったら、大問題になってしまう。そこが、ニーズの本質である。だから、UTも顧客にコミットして安心させなければならない。同業他社にはできないからこそ、UTがやるしかない。
1000という数字ではなく、その仕事の本質へと視点をシフトさせたことで、採用メンバーたちの意識も変わった。その結果、期日までに1000人の採用が決まっただけではなく、数か月後の増産時には1500人にまで増員できた。
この会社に不可能はない。10年後に、時価総額1兆円企業となるという目標もそうだ。そのためにどんな視点を持ち、どんな行動を取ればいいのか。まずは、キャリアプラットフォームを拡充させ、オンリーワン企業として社会に貢献していくために、いろんなアイデアを出し、挑戦していきたい。そのプロセスでは、新しいポジションもどんどん生まれていくだろう。大きく成長する過程に加われるということは、自分自身が成長する機会も持てることに他ならない。会社も自分も、ポテンシャルを発揮できるフィールドが、ここにはある。
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